よい大人だった。 それが、桃が薫に対して抱いた感想だった。きちんと、途中で止まったりすることなく大きくなったひとだ。そういう人は少ないと桃は思っている。正直だとか不器用だとかそういうものを魅力と呼べるのは子供の特権で、あとはもう、ずる賢く生…
月曜日。カーテンの隙間から突き刺す冬のあかるさで目が覚めた。時計に目をやると、丁度アラームの鳴る2分前だったのでそのままアラームを切る。長いこと圭吾の朝食を作り続けていたせいか、毎朝大体決まった時間に起床できる体質なのだ。身体ごと改造されて…
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